記憶に残る一日
酒井延行さんがアイアンマンジャパンに挑戦されたときの完走記です・・。

早朝の海岸に立っていた。目の前には五島列島の海がみえた。
初夏の海水が、ウェットスーツからでた素足を冷たくした。暫くすると号砲がなり長い一日が始まった。
アイアンマンジャパン。
226kmは慣れた距離ではない。
足がつるかと思いながら泳いだ。一時間半近く掛かって海から出た。来年はもっと練習しよう。

天気を心配したが、雨は未だ降っていなかった。
バイクは起伏に富んだコース。マーシャルのドラフティングチェックも多い。
バイクは宮古島よりは長く厳しいコース。
しかし自転車乗りには楽しい。抜きつ抜かれつする。
抜き際には声を掛けるのが礼儀。
『きついですね』、蒸し暑かった。
『やっと半分ですね』、水を何リットル飲んだだろう。『まだですね』、お腹が痛くなってきた。
6時間以上掛かった。来年はもっと練習しよう。

やっとマラソンに入る。
お腹が痛かった。水の飲みすぎが失敗。幾度と無く厠を探してコースを外れた。
雨が降ってきた。
お腹ゴロゴロ。雨上がりの風が冷たかった。ゴロゴロ。走れない。エイドでナイロン袋を貰ってお腹に入れた。
トワイライトゾーン、霧が掛かって綺麗だった。暫くするとお腹痛がなくなっていた。ナイロン袋さまさま。
『ナイスラン』、応援が嬉しい。すっかり夜になった。
真っ暗な中に炬の火が遠く見えた。城下町。お堀の周りの炬が綺麗だった。
橋を渡って城内に入る。急に明るくなった。眩しい。陽気なBGM&DJ。声援。嬉しくなった。
両手を上げてテープを切った。来年はもっと練習しよう。
記憶に残る一日が終わった。